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検卵
「検卵」は、主に寄生虫や寄生虫感染の診断に用いられる手法の一つであり、糞便検査や血液検査などの形で行われます。この手法は、寄生虫の卵や幼虫を検出して、感染の有無や感染の程度を評価するために重要です。以下では、検卵について詳しく説明します。
1.検卵の目的:
検卵の主な目的は、寄生虫が宿主(ヒトや動物)の体内に寄生している場合、その寄生虫の卵や幼虫を体液や排泄物などから検出し、感染の診断や治療のモニタリングを行うことです。特に糞便検査は、寄生虫感染の診断に広く利用されています。
2.検卵の手法:
●糞便検査:
方法: 患者は便器に排便し、その後採取された便の一部が検査対象となります。この便中に排泄された寄生虫の卵や幼虫が存在する可能性があります。
●検査の手順:
・検査対象の便を特殊な容器に採取する。
・液体保存剤が必要な場合はそれを追加する。
・検体は検査室に送られ、専門の技師が顕微鏡で検査します。
・寄生虫の卵や幼虫が検出されれば、感染が診断されます。
●尿検査:
方法: 尿検査は主に腎臓寄生虫などを検出するために行われます。
●検査の手順:
・採尿された尿検体を専門の検査室に提出する。
・顕微鏡検査を行い、寄生虫の卵や幼虫を検出する。
●血液検査:
方法: 血液検査は、血液中に寄生虫の幼虫や寄生虫に対する抗体を検出するために行われます。
●検査の手順:
・血液サンプルを採取する。
・血清やプラズマを分離し、特定の寄生虫に対する抗体を検出する試験を実施する。
3.検出可能な寄生虫:
検卵法は、さまざまな種類の寄生虫に対して有効です。主な対象となる寄生虫には次のようなものがあります。
・糸状虫: クリプトスポリジウム、ギアジア、アスカリスなど。
・吸虫: ウマダニなど。
・線虫: フィラリア、ぐち蟲など。
・条虫: タエニア、ヘルミンシアなど。
4.検卵の注意点:
感染の潜伏期間: 寄生虫感染の潜伏期間が異なるため、感染が疑われる場合は複数回の検査が必要なことがあります。
検体の保存: 検体は新鮮なままでなければならないため、適切な保存が必要です。保存液を使用することで検体の状態を保つことができます。
感度と特異度: 検卵法の感度と特異度は検査手法や対象となる寄生虫によって異なります。結果の解釈には専門的な知識が必要です。
まとめ:
検卵は寄生虫感染の診断において重要な手法であり、特に糞便検査は広く行われています。正確な結果を得るためには、適切な採取、保存、検査が必要です。検卵法は他の検査法と組み合わせて使用され、感染の早期発見や治療モニタリングに貢献しています。